定例ミーティング

第15回ミーティング報告書 2015年10月29日

幸せとは何か

 ASEAN-NAGOYA CLUBの第十五回目です。今日は日程が合わない留学生がたくさんでました。一方、本日が初めての留学生をお招きすることができました。この10月に来日し、半年の留学スケジュールの3名です。KIM Channaryさん(カンボジア)、KLISSANAVANICH Temsiriさん(タイ)、DAVID Maria Teresa Santosさん(フィリピン)です。
 今日は、本質的なテーマ「幸せとは何か」です。私たちはこのテーマを実現するために、生きているようなものですが、幸せの捉え方は、人によって随分違います。また国によっても異なります。そんな難しいテーマについて、今日は、みなさん、幸せについて、どのように考えているのか、とても興味深い1日となりました。
 幸せと豊さとの関係について、議論となりました。幸せになるために、お金を稼ぐ。ASEANの国々にはまだ貧しい国がたくさんあります。貧困から抜け出すことで、幸せをつかむ。先進国日本から見れば、幸せになるための条件がまだ揃っていないように見えます。しかし、議論するとそうでもないのです。カンボジア、フィリピンでは、お金を稼ぐために、都市や海外に出稼ぎに出る親は少なくありません。親にしてみれば家族を幸せにするために、出稼ぎに行きます。残された子どもたちは、お父さんとお母さんが一緒にいないことで悲しい思いをしている。一方、出稼ぎに出ている親も、遠く離れた地で、家族のことを思いながら暮らしている。幸せのために、お金を稼いでいるのに、幸せに必要な家族の絆を失っている。こういうパラドックスが、人々を苦しめています。
 これは、高度成長期に田舎から東京に出稼ぎに出て行った、地方の人々の姿と重なるものがあります。豊かさが幸せの要件であるはずですが、豊かさを手にするためには、失うものがある。またその犠牲は、人の幸せを考えたとき、かなり大きなものであることがわかります。留学生の皆さんと話をしていますと、人の幸せとは、お金やものがもたらすのではなく、人間がもたらしてくれることを再確認できます。家族。友人。人間が幸せをもたらしてくれるのです。
 人間が人々に幸せをもたらしてくれる。ASEANの人々は、こうした感覚を日本人より、強く持っているように見受けられます。いろいろな機会を捉えて、人々が集う。彼らはパーティと呼びます。それは結婚式、同窓会、誕生会、など様々です。テーマは何でもよいようです。人々が集まり、そこに食事を用意する。これでパーティの形式が整う。そこに行って、人々とつながる。これが幸せの原点です。見知らぬ者同士が、同じテーブルを囲んで、親しくなる。ASEANの人々は、パーティを中心にして1年のスケジュールが成り立っているようです。こうしたパーティを大事にする文化は、社会の仕組みにも反映しています。フィリピンでは、パーティローンという借入形態があるそうです。それほど、人のつながりに価値を置く社会であることがわかります。
 こうした話しを理解しますと、ASEAN各地域に進出する日系企業の駐在員の行動が気になります。ASEANの人々がパーティを企画しても、日本人はなかなか参加してくれないといいます。欧米人は喜んで参加してくれる。どうして、日本人は参加しないのだろうかと怪訝に思う。パーティをとても大事にするASEAN文化圏で、私たち日本人の行動は、課題がありそうです。私たち日本人は仕事の関係で出会った人々と、個人的な出会いを分ける傾向があり、仕事の関係を休日にまで持ち込みたくないという心理のようです。ASEANとの関係がより緊密になっていくことを考えますと、より掘り下げた人間関係が必要かもしれません。

参加者:
<日本人メンバー>
西氏、鈴木氏、松久氏(コーディネーター)、田中氏(スタッフ)
<留学生メンバー>荻巣先生(コメンテーター)、島津先生(コーディネーター)、Mr.Indra Kesuma Nasution 、Mr.Mardiansyah Mardis、Ms.Kim Channary、Ms.David Maria Teresa Santos、Ms.Klissanavanich Temsiri

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