第1回シンポジウム開催報告書 2016年3月12日 ASEAN Community Inauguration Memorial Symposium (March 12, 2016)
ASEAN共同体発足記念シンポジウム
ASEAN-NAGOYA CLUBは、ASEAN共同体発足記念シンポジウムを開催いたしました。このたびは名古屋大学大学院国際開発研究科との共催プロジェクトとなりました。名古屋大学大学院国際開発研究科の先生方のご理解を賜り、栄誉ある共同開催となり、 ●開会のご挨拶を伊東教授からご挨拶をいただきました。
●ASEAN-NAGOYA CLUB代表理事の西孝雄より開会のご挨拶に続き、基調講演が行われました。
●基調講演・・・時事総合研究所客員研究員の山川裕隆講師からASEANにおける日本企業の最新動向をお話しいただきました。
週末にミャンマー取材から帰国されたばかりで、ASEANの最新情報に触れることができました。今回はASEANの中から、メコン地域5か国(タイ、ヴェトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)に絞りお話しいただきました。
(以下、要約)
ASEANを一つの国とみたとき、ASEANは日本の約5倍の6億人の人口を擁し、EU5億。中国13億、インド12億についで大きな地域となります。これまでは生産拠点としての機能を果たしてきたASEANですが、最近は所得の増加に伴い、消費市場となりつつあります。また2012年の尖閣諸島問題以来、北京の法律事務所などでは、中国から撤退の相談が9割に達しています。その撤退企業がものすごい勢いでASEAN地域に進出しています。
昨年末に発足したASEAN経済共同体は、政治、経済規模、言語などの違いを乗り越えスタートしました。ゆるやかな共同体といってよいでしょう。経済では3つの柱があります。ものの自由化、サービス分野の自由化、人の移動の自由化です。関税ゼロを合意。ほとんどの製品は2015年末で関税がゼロになりました(自動車など一部は2018年)。
関税がゼロになるとどうなるか。自動車生産でいえば、日本とタイ、中国から部品を輸入して自動車を組み立てている高コスト構造のヴェトナムからタイとインドネシアなどに工場再配置が起こっています。2018年に関税がゼロになる自動車産業は、ますます生産拠点の再配置が起こる可能性があります。ヴェトナムは生産拠点から消費市場になる可能性が高いといえます。自動車を例に挙げましたが、電気産業でも同様の動きになっています。
○ミャンマーについて触れたいと思います。2012年以降、日本企業の進出が加速しています。2011年テイン・セイン大統領就任以来、政治改革、経済改革が進展。軍事政権から民政に移管。メディアの自由化により、日経、朝日、NHKなどが支局を開設。また36年ぶりに首相として安倍首相が訪問。ワーカー賃金は、月額1万円、タイ賃金3万円の約3分の1となっています。ASEANの一番西がミャンマー。中国、インド、バングラデシュ、タイ、ラオスの5か国と国境を接し、実に27億人の市場になっています。日本への輸出基地と考えている日本のアパレルメーカーによれば、将来、27億人市場への輸出に切り替えたいとのことです。ミャンマーの立地はそれほど優れています。中東、アフリカにも近く、石油、天然ガス、また銅、金、錫などの鉱物資源の資源も豊富です。天然ガスは中国、タイに輸出しています。米だけでなく、魚、イカ、エビなどの魚介類も新鮮です。識字率は92%、ヴェトナム、インドネシアとほぼ同じであり、文法が日本語に近く、日本語の習得が早い。台湾、トルコと並び親日的ではないかと思われます。しかし、課題があります。電力不足と人材です。中間管理職が非常に少ない。日本語ブームであり、今後のミャンマーと日本の関係はさらに進展してくものと思われます。そもそも昔はタイよりミャンマーのほうが経済力上だったことを考えると、20数年の軍事政権時代の遅れを取り戻していくのではないかと思います。
○タイはとにかく車が多い。2012年自動車生産台数245万台であり、生産台数世界第九位となっています。以前ほど景気はよくありませんが、生活水準は日本とほぼ変わらないところまできています。セブンイレブンは世界で日本に次いで多いのがタイです。タイ国内で、8500店舗。日本は15000店舗ですが、人口6600万なので、人口比から考えますと、日本とほとんど変わりません。ファミリーマートも1千店超えました。紀伊国屋も出店し、日本の本は何でもあります。ユニクロ、居酒屋、ラーメン店など、日本と変わらない生活ができます。日本の地方銀行16、信用金庫4行が進出し、情報収集をしています。デメリットとして、賃金が高く、人が集めにくい。失業率1%を切っており、大量にワーカーを確保しなければならないメーカーは、大変苦労しています。そうした企業はカンボジア、ラオスに移転しています。ときどきタイには洪水があり、現在、政治リスクも抱えています。農民層支持のタクシン派と反タクシン派の対立です。軍人がクーデーターを起こし、今は軍事政権になっています。軍事政権になって、良い面があります。政治的対立の一因にもなった相続税です。タイには相続税がなく格差がありましたが、2月から相続税が創設されました。
○ヴェトナムはバイクが多い。バイクからなかなか車社会に移行していません。2014年ホーチミンにイオンができました。ヴェトナムの人はお寿司が好きです。日本より高い(200円)ダイソー。丸亀製麺も出ています。高島屋は、ホーチミン1号店。バイクはホンダが圧倒的です。ヤクルトも進出しています。ヴェトナムは人口9千万人。いずれ日本を抜きます。消費市場として注目されることでしょう。外食、小売りの企業投資はやや減っています。一時ほど勢いはありません。工場進出は停滞気味です。一方、韓国がものすごい勢いで投資をしています。2013年までは日本の投資が一番でしたが、昨年、韓国がNo1.となっています。携帯電話の生産に集中し2014年では、ヴェトナムの輸出は携帯電話がトップとなっています。繊維製品輸出から携帯への輸出と様変わりしています。
○カンボジア。プノンペンのイオンでは、ヴェトナムの単価より高くなっています。東横イン、稼働率はよくないようですが、9月から成田-プノンペン全日空・直行便でビジネス、観光客増えるものと予想されます。賃金が最近上がってきています。手当入れると月額2万円です。車ではレクサスの割合が多い。ホンダ、ススキ、ヤマハ、永谷園などが目に付きます。
○ラオス。電力が豊富でカンボジア、ヴェトナム、タイに電力を供給しています。橋を渡ると賃金は3倍で、ラオスからたくさんの人が出稼ぎに行きます。人口650万人のうち、50万人近くが出稼ぎです。出稼ぎが多く、ラオス国内では人材が集めにくいという点があります。大規模ワーカーを必要とする産業は向いていません。100人から500人までの規模までです。首都ビエンチャンはホーチミンより道路がしっかりしています。新車も多く、一人当たりGDP4千ドル超えました。3千ドル超えると車も売れ、家電も売れますが、3500ドルのハノイより高くなっています。ショッピングモールもでき始めています。
時間が足りませんので、ASEAN10カ国すべてをご紹介することはできませんが、それぞれの国はかなり変化しています。なかでもミャンマー、2億4千万人を擁するインドネシアが経済を加速していくのではないでしょうか。
●事務局から「ASEAN-NAGOYA CLUBの設立経緯」について、報告がありました。
2014年夏、「ASEANの相手国のことを知り、適切に判断できる日本人はどれほどいるだろうか」という話し合いが起点になりました。私たち日本人は相手国のことをしっかり知らずに経済活動をしているのではないだろうか。相手国との関係をしっかり、構築するためには、文化、伝統をよく知ったうえで、経済活動をすることが大事ではないのか。
日本人の評価に「親切でやさしい、真面目である、優秀である、礼儀正しい、仕事熱心である、忠実である」などとあります。日本人はずいぶん立派な国民だと思うのですが、海外の人と本音で話す機会を得ますと、必ずしもその通りではないのです。日本人は、「冷たい、仕事に厳しすぎる、傲慢である、挨拶をしても返してくれない、仕事を離れて親しくなれない、頭が固すぎる」などと真逆の評価を聞くことがあります。実は、海外経験の長い、理事の経験と符合します。
現在の日本の自画自賛型のテレビ番組をみていますと、懸念を感じざるを得ません。今後、ASEANが急速に力をつけていく時代にあって、日本人はしっかり対応していけるのかという懸念が、あります。これがASEAN-NAGOYA CLUBの発足の契機になりました。
そのためには経済だけではなく、文化、伝統、思考様式にわたり、相互理解を進めていく必要があるのではないか。現在、ASEAN諸国は非常に親日的な国が多いのですが、実は、昔から親日的であったわけではありません。1974年1月に田中首相は東南アジア歴訪で、激しい反発を受け、インドネシアでは迎賓館から一歩も出られずに、帰国するという事態がありました。当時のタイ、インドネシアにおける反日暴動は大規模なものでした。
私たちの国は、経済活動のみに専念し、現地の人々との相互理解を軽視していたのです。心と心の通わない経済進出は、現地に相互不信の種をまき、恐怖感という想像を大きくしていったのです。経済規模が大きくなればなるほど、心と心の通わない二国間の関係は危なくなるのです。そうした反省を踏まえ、1977年福田首相が東南アジアを歴訪し、福田ドクトリンを表明しました。軍事大国にならない、心と心の通う関係を構築する、日本と東南アジアの人々は対等なパートナーである。この3つの柱を打ちたてました。以来40年、こうした地道な努力があって、今日の親日的な姿を得ることができました。若い人の中には、ASEANの人々は昔から親日的であったと思う人が多いことでしょう。しかし、そうではないのです。親日的な関係を構築するためには、不断の努力が欠かせないのです。信頼は獲得するためには長い歳月を必要としますが、失うのは1日で足ります。それほど、難しいテーマなのです。
それはお互いの文化、伝統、思考様式が異なり、価値観が大きく異なるからです。自分がよいと思うことも、国が異なれば、正反対になることもあります。この国の人々はいったい、どのような考えで暮らしているのか。そうしたことを知らずに、ものづくりをして、ものをASEANの人たちに売るだけでは不十分なのです。
私たちは、留学生を通じて、相互の文化、伝統、思考様式を理解し合い、相違点はどこにあり、共通点はどこにあるのか。また、お互いに何を求めているのか。こうした素朴な疑問を本音で話し合い、相互理解を深めていく。私たち日本人は、経済活動に傾斜しすぎるところがあります。一生懸命に働く日本人の姿は尊いものですが、一生懸命に働いているからといって、ASEANの人々の理解が得られるというものではありません。
ASEAN-NAGOYA CLUBは、現在の経済的側面だけではなく、遠い将来の二国間関係を見据えて、対話を重ねていきたいと考えています。
●インドネシア、INDRA KESUMA NASUTION(名古屋大学大学院国際開発研究科・博士課程)
インドネシアからの留学生、インドラさんから発表がありました。インドネシアは急速な経済発展を遂げています、2050年頃には日本のGDPを抜くと予測されています。しかし、様々な課題があるのも事実です。インドラさんは言います。
ASEAN共同体の発足で、大きなチャンスを手にしていますが、ASEAN共同体は統合の理念より形式的な文書表現に重きがあります。ASEANには強力なリーダーシップを発揮できる国がありません。ASEANが力強く発展するためには、何が必要か。ちょうど、EUの前進にそのヒントがあるのではないでしょうか。ベネルクス三国に対して、フランス、ドイツという機関車役が登場したことにより、EEC、EC、EUの発展につながりました。ASEANが飛躍するためには、フランスやドイツのような機関車役が不可欠です。われわれはその機関車を求めています。その求めに相応しいのは日本ではないでしょうか。われわれは求めています。日本は求められています。
またASEAN-NAGOYA CLUBは、大学と産業界をつなぐ重要な役割を果たしています。一般的に、大学同士の関係、企業同士の関係に終始することが多いものですが、ASEAN-NAGOYA CLUBは、大学と企業を横断的につないでいます。大学に足らないもの、ビジネスに足らないもの、この両者のニーズを見事に満たす機能を果たしていいます。
ASEAN economic will not moving anywhere without japan
Japan economic will not progress further without ASEAN.
Why don’t we drive to the better future together?
It is now for us to decide
●カンボジア、LIM LYHONG(名古屋大学大学院法学研究科、博士課程)
カンボジアからの留学生、リーホンさんから発表がありました。ポルポト時代の苦難の歴史を乗り越え、カンボジアからの留学生は今、祖国のために必死に学んでいます。リーホンさんの発表です。
ASEAN-NAGOYA CLUBに参加したことで、分かったことが3つあります。
第1に、日本の本当の姿とその歴史的な背景を理解することができました。ASEAN-Nagoya Clubには、日本人の参加者全員が経験豊富なOB方がいらっしゃるからです。OBの方が自らの経験を語ってくださっていますので。大変勉強になりました。例えば、プライバシーに関することです。私は日本に来て、感じたのは、日本人のプライバシーの基準が広いことです。例えば、昨年の9月に、アセアン・名古屋クラブのミーティングのテーマについて、「日本人に対して聞いてはいけない質問」についてディスカッションしていました。カンボジアでは、初めて会った人でも、少し話をしたら、「結婚していますか」などという質問をする人がいますが、日本人はそういうことをあまり聞きません。また、例えば、同じ会社の中でも、給料はいくらかというのは、お互いに質問しないみたいです。わかってきたのは、日本ではお金の話をする人は、評価されない歴史があります。江戸時代の士農工商という身分制度にも、お金にかかわる身分は、最もいやしいものとされてきたそうです。つまり、明治、大正、昭和初期に生まれた人たちには、こうした気風が色濃く残り、「お金の話は、品格がない」とされてきたということがわかりました。
第2に、大学で学べない日本人の考え方を学ぶことができました。例えば、「おもてなし」です。特に、中でも、お客さんに対するおもてなしです。多分、皆様がアパートにいらっしゃったら、店員さんは何度も「いらっしゃいませ」や「ありがとうございます」 という挨拶をしながら、何度もお客さんにお辞儀するということをよく見かけると思います。しかし、「日本のおもてなし」の中で、もっと感動したのは、デパート内での隠語の使用です。つまり、お客様に失礼にならないように、社内で多くの隠語が使わかれているそうです。参加した全員も大変感動しました。この素晴らしい考え方が、恐らく日本に10年・15年間住んでいたとしても、ASEAN-Nagoya Clubに参加する機会がなければ、学べないと思います。
第3に、このクラブに参加することによって、日本だけではなく、アセアンの文化・社会事情を知ることができました。アセアン・名古屋クラブには、インドネシア、タイ、フィリピン、ヴェトナムから来た留学生がいて、彼らが自分の国の状況について教えてくれて、とても勉強になりました。例えば、昨年は、「幸福とは何か?」というテーマについてディスカッションしていました。その時、参加者全員が自分の幸福(My Happiness)10項目を取り上げました。共通の項目は、①健康 、②家族、③お金 ④友人などがありますが、そのうちインドネシアの学生が、「Rukun」という町内会を非常に大切にしていることがわかりました。
日本に来る留学生がどのような役割を果たすべきとかということですが、私は次のように考えています。
第1に、日本と自分の国との架け橋になることです。具体的に申し上げますと、自分の国の情報を提供したり、アピールしたりすることです。例えば、カンボジアの「高等教育」について知りたい日本人がいるのであれば、それを紹介するということです。もしくは、「高等教育」 が詳しいカンボジア人の友達を紹介することです。また、逆に、自国の方がある日本の情報について知りたいのであれば、日本のことを伝えることです。 例えば、その情報が分からなかったとしても、アセアン・名古屋クラブのOBがいらっしゃるので、OBに聞くことができます。
第2に、アセアンの窓口になることです。例えば、日本人から、インドネシアに関する質問があったら、インドネシアの留学生を紹介するということが考えられます。
では、それができるためには、これからアセアンの留学生はどうすればいいでしょうか。私の意見は、ごく普通ですが、次のことをまずしないといけないと思います。
第1に、アセアンの文化、歴史的な背景や基本的な社会事情についてもっと学ぶ必要があり、正確に理解することが大事だと思います。例えば、時間厳粛です。ご存知のとおり、日本人の皆様は時間が厳しいです。しかし、アセアンの人たちが一般的にちょっと遅れると思います。それを理解した上で、コミュニケーションしたり、行動したりする必要があると思います。
第2に、アセアンのネットワークを作ることです。つまり、アセアン・名古屋クラブのメンバの関係を保ちながら、どんどんアセアン諸国からの友達もたくさんつくらないといけないです。そうすれば、日本人の方から「だれかアセアンの友達を紹介してくれませんか」と頼まれた時に、すぐに日本人に紹介することです。
第3に、日本と自国との架け橋になるためには、やはり日本語を学ぶ必要があると思います。もちろん、現在は技術が進歩し、おそらく通訳や翻訳の機械があると思いますが、やはり日本人との信頼関係や親しみを作るためには、日本語ができるようになるといいと思います。書いたり、読んだりできなくても、基本的な会話ができることが重要だと思います。
●カンボジア、PAK CHANLINO(名古屋大学大学院法学研究科、修士課程卒業)
PAK CHANLINOさんは、名古屋大学大学院法学研究科、また、ASEAN-NAGOYA CLUBの一期生として卒業し、現在、祖国プノンペンで弁護士・法律事務所代表として、ご活躍されています。
そのPAK CHANLINOさんからビデオレターがご紹介されました。ASEAN-NAGOYA CLUBの貴重な経験、今後の自分の活躍におけるネットワークの重要性についてのご報告がありました。ますますのご活躍をお祈りしたいと思います。
以上、ASEAN-NAGOYA CLUBとして、はじめてのシンポジウムでしたが、会場は満席となり、皆さん非常に熱心に聞いてくださいました。名古屋大学の関係者の方々、出席者の方々に、あらためて深く御礼申し上げたいと思います。
2016年3月13日 ASEAN-NAGOYA CLUB事務局
Report of the 1st Symposium March 12, 2016
2016.03.12
ASEAN Community Inauguration Memorial Symposium
ASEAN-NAGOYA CLUB held a symposium commemorating the establishment of the ASEAN Community. This time, it was a prestigious joint project with the Graduate School of International Development, Nagoya University.
● Opening remarks by Professor Ito.
● Speech by Takao Nishi, CEO of ASEAN-NAGOYA CLUB
● Keynote Speech: Mr. Hirotaka Yamakawa, a visiting researcher at the Current Affairs Research Institute, talked about the latest trends of Japanese companies in ASEAN.
I just returned from an interview in Myanmar on the weekend and was able to get in touch with the latest information on ASEAN. This time, we focused on five countries in the Mekong region (Thailand, Vietnam, Cambodia, Laos, and Myanmar) from ASEAN.
(Summary)
Across all nations of ASEAN, there is a population of over 622 million people. which is about five times that of Japan and EU with 500 million. It will be the second largest region after China 1.3 billion and India 1.2 billion.The region has one of the largest economies in the world, and it is believed that by 2050, it will have the 4th-largest economy in the world.
Until now, ASEAN has functioned as a production base, but recently it is becoming a consumer market as income increases. In addition, since the Senkaku Islands issue in 2012, 90% of law firms in Beijing have consulted withdrawal from China. The withdrawing companies are expanding into the ASEAN region with tremendous momentum.
The ASEAN Economic Community, which was established at the end of last year, started overcoming differences in politics, economic scale, language, and so on. Four Pillars of the AEC are: Single Market and Production Base, Competitive Economic Region, Equitable Economic Development, and Integration into the Global Economy.
There is agreement for zero tariffs. Most products had zero tariffs at the end of 2015 (some of them, including automobiles, in 2018).
What happens when tariffs go to zero? Speaking of automobile production, factories are being relocated from Vietnam, which has a lower-cost structure that imports parts from Japan, Thailand, and China to assemble automobiles. The automotive industry, which will have zero tariffs in 2018, is likely to experience more and more relocation of production bases. It can be said that Vietnam is likely to become a consumer market from a production base. I took the automobile as an example, but the movement is similar in the electric industry.
Another country that has a good prospect is Myanmar. Since 2012, the expansion of Japanese companies has been accelerating. Since the inauguration of President Thein Sein in 2011, political and economic reforms have progressed. Transferred from military government to civil authority. Due to the liberalization of the media, Nikkei, Asahi, NHK, etc. have opened branch offices. In addition, Abe was elected as Prime Minister for the first time in 36 years. Worker wages in Myanmar are 10,000 yen per month, which is about one-third of Thai wages of 30,000 yen.
Myanmar is the westernmost part of ASEAN surrounded by five countries, China, India, Bangladesh, Thailand and Laos, and has a market of 2.7 billion people. According to a Japanese apparel owner, which considers it an export base to Japan, they want to switch to exporting to a market of 2.7 billion people in the future. The location in Myanmar is so good. It is close to the Middle East and Africa, and has abundant resources such as oil, natural gas, and mineral resources such as copper, gold, and tin. Natural gas is exported to China and Thailand. Not only rice, but also fish, squid, shrimp and other seafood are fresh. The literacy rate is 92%, which is almost the same as Vietnam and Indonesia, and the grammar is close to Japanese, so learning Japanese is not too difficult for them. It seems to be pro-Japanese along with Taiwan and Turkey. The challenges are power shortage and human resources. There are very few middle managers. With Japanese language ability, the relationship between Myanmar and Japan is expected to develop further in the future. Considering that Myanmar was economically more powerful than Thailand in the past, I think it will catch up with the delay of the military government era of more than 20 years.
○ There are many cars in Thailand. In 2012, the number of automobiles produced was 2.45 million, making it the ninth largest in the world. The economy is not as good as it used to be, but the standard of living is almost the same as in Japan. Thailand has the second largest number of 7-Eleven stores in the world after Japan with 8500 stores. Japan has 15,000 stores, but the population is 66 million, so considering the population ratio, it is almost the same as Japan. FamilyMart has also exceeded 1,000 stores. Kinokuniya also opened, and there are all kinds of Japanese books. You can live the same life as in Japan, there are such as UNIQLO, Izakaya, and ramen shops. 16 Japanese regional banks and 4 credit unions have been joining the market to collect information. The disadvantage is that wages are high and it is difficult for people to collect. Manufacturers who have an unemployment rate of less than 1% and have to secure a large number of workers are having a hard time. Some companies have moved to Cambodia and Laos. Occasionally there are floods in Thailand and now there are political risks too. It is a conflict between the Thaksin faction and the anti-Thaksin faction that support the farmers. Military personnel have caused a coup d’etat and are now in a military junta. There is a good side to becoming a military junta. It is an inheritance tax that also contributed to political conflict. There was no inheritance tax in Thailand and there was a disparity, but an inheritance tax was created in February.
○ There are many motorcycles in Vietnam. It has not been easy to shift the society from a motorcycle to a car. In 2014, Ion was created in Ho Chi Minh City. People in Vietnam like sushi. Daiso is more expensive than Japan (200 yen). Marugame Seimen is also available. There is also Takashimaya Department store in Ho Chi Minh city. You can find a lot of motorcycle from Honda there. Yakult is also expanding. Vietnam has a population of 90 million. It will overtake Japan eventually. It will attract attention as a consumer market. Corporate investment in eating out and retailing has decreased slightly. It’s not as strong as it was. Factory expansion is stagnant. Meanwhile, South Korea is investing a tremendous rate. Until 2013, Japanese investment was the best, but in 2015, South Korea became No. 1. Focusing on mobile phone production, in 2014, mobile phones were the top exporter in Vietnam. It has changed from exporting textile products to exporting mobile phones.
○ Cambodia. In Phnom Penh Aeon, the unit price is higher than Vietnam. Toyoko Inn, occupancy rate does not seem to be good, but it is expected that business and tourists will increase on Narita-Phnom Penh. ANA direct flights are from September. Wages are rising recently. The monthly allowance is 20,000 yen. Lexus is a large proportion of cars. You can see Honda, Suzuki, Yamaha, etc.
○ Laos. It has abundant human resources compared to Cambodia, Vietnam and Thailand. When you cross these countries, your wages are tripled and many people from Laos go to work to those three countries. From 6.5 million total populations, nearly 500,000 are migrant workers. There are many migrant workers from Laos so it is difficult to get human resources in Laos. It is not suitable for industries that require large-scale workers from 100 to 500 people. Vientiane, the capital, has stronger roads than Ho Chi Minh. There were many new cars, and the GDP per capita exceeded $ 4,000. Cars sell and home appliances sell for over $ 3,000, which is higher than Hanoi which is $ 3,500. Shopping malls are also starting to open. We can’t show you all 10 ASEAN countries because we don’t have enough time, but each country has changed considerably.
● The secretariat described about “the background of the establishment of ASEAN-NAGOYA CLUB”.
In the summer of 2014, we started to discuss about “How many Japanese corporates know about ASEAN’s partner countries and make appropriate decisions to maintain the relationship with ASEAN countries. Most of Japanese are doing economic activities without having a knowledge about the other country, especially the culture, tradition, and work etiquette. In order to build a solid relationship with the partner country, it is important to have a good understanding of culture and traditions before conducting economic activities.
The Japanese people are known by their kindness, seriousness, excellent job, politeness, enthusiasm about work, and loyalty.” Basically that is a good foundation for business, but when they get the chance to talk to people from overseas, some problems arise. Japanese people sometimes get the negative stigma, such as “cold, too strict at work, arrogant, not replying the greetings, not getting close to each other after work, being too stiff, etc.” experience abroad.
In the era when ASEAN is rapidly strengthening the future, there is concern that the Japanese will be able to respond firmly. This was the impetus for the establishment of ASEAN-NAGOYA CLUB.
For that purpose, it may be necessary to promote mutual understanding not only in the economic sectors but also in culture, tradition, and way of thinking. Currently, many ASEAN countries are pro-Japanese, but in reality, they have not always been pro-Japanese. In January 1974, Prime Minister Tanaka visited Southeast Asia and received a fierce opposition, and in Indonesia he returned home without being able to leave the guesthouse. The anti-Japanese riots in Thailand and Indonesia at that time were large-scale.
Our country was devoted solely to economic activity and downplayed mutual understanding with the local people. The unsuccessful economic advance has sowed seeds of mutual distrust in the field and increased a fear. The larger the economy, the more dangerous the bilateral relationship between hearts and minds. Based on such reflection, Prime Minister Fukuda visited Southeast Asia in 1977 and announced the Fukuda Doctrine. The people of Japan and Southeast Asia are equal partners who do not become military powers and build heart-to-heart relationships. Forty years since then, thank you to these steady efforts, we have been able to gain a pro-Japanese today. Many young people may think that the people of ASEAN have always been pro-Japanese. Constant efforts are indispensable for building a pro-Japanese relationship. Trust takes a long time to build but it takes only one day to ruin. This is because their cultures, traditions, ways of thinking are different, and their values are very different. What you think is good can be the exact opposite in different countries. It is not enough to make things and sell things to ASEAN people without knowing about it.
Through international students, we understand each other’s cultures, traditions, and ways of thinking, what the differences are and what the common thing. We will discuss these simple questions in earnest and deepen mutual understanding. We Japanese are too inclined to economic activities. The performance of Japanese people who work hard is precious, but just because they work hard does not mean that they can easily understand the people from other country. ASEAN-NAGOYA CLUB wants to hold dialogues not only on the current economic situation but also on the future bilateral relations.
● Indonesia, INDRA KESUMA NASUTION (Nagoya University Graduate School of International Development, Doctoral Program)
Indonesia is undergoing rapid economic development and is projected to surpass Japan’s GDP around 2050. However, it is also true that there are various issues. With the inauguration of the ASEAN Community, we have a great opportunity, but the ASEAN Community emphasizes formal document expression rather than the idea of integration. No country in ASEAN can demonstrate strong leadership. What is needed for ASEAN to develop strongly? I think there is a hint to the EU’s progress. The appearance of locomotives in France and Germany for the three Benelux countries has led to the development of the EEC, EC and EU. Locomotive roles such as France and Germany are indispensable for ASEAN to make a leap forward. We are looking for that locomotive. Isn’t Japan suitable for that request? We are looking for it.
ASEAN-NAGOYA CLUB also plays an important role in connecting universities and industry. In general, the relationship between universities and companies are often the same, but ASEAN-NAGOYA CLUB connects universities and companies across the board. It fulfills the functions of meeting the needs of both the university and the business. ASEAN economic will not move anywhere without Japan. Japan economic will not have further progress without ASEAN. Why don’t we drive to the better future together? Decision is in our hands.
● Cambodia, LIM LYHONG (Nagoya University Graduate School of Law, Doctoral Program)
Overcoming the history of hardships during the Pol Pot era (1975-19791), students from Cambodia are now learning hard to help develop the homeland. There are three things I learned from participating in the ASEAN-NAGOYA CLUB. First, I was able to understand the true picture of Japan and its historical background. This is because the ASEAN-Nagoya Club has OBs (alumni) who are all experienced Japanese participants. The alumnus talks about their experience.
I have learned a lot. For example, privacy. When I came to Japan, I felt that Japanese people have a wide standard of privacy. For example, in September of last year, we were discussing about personal things that never asked by Japanese people. In Cambodia, even people who meet for the first time, after talking a little, people would ask questions such as “Are you married?”, But Japanese people don’t often hear that. Also, for example, even within the same company, it seems that they do not ask each other how much their salary is. What we have learned is that in Japan, people who talk about money have a history of being unappreciated. Even in the status system of the occupation in the Edo period, the status related to money has been regarded as the most disgusting. In other words, it turned out that people born in the Meiji, Taisho, and early Showa eras had such a strong spirit and were said to have no dignity when talking about money.
Secondly, I was able to learn the Japanese way of thinking that I cannot learn at university. For example, “hospitality”. Especially, the hospitality to our customers. Perhaps, when you come to the apartment, you will often see the clerk bowing to the customer many times, saying “Welcome” and “Thank you”. However, what impressed me more about “Japanese hospitality” was the use of jargon in department stores. In other words, it seems that many jargon is used in the company so as not to be rude to customers. Everyone who participated was also very impressive. Even if I lived in Japan for 10 or 15 years, I don’t think I can learn this wonderful idea without the opportunity to join the ASEAN-Nagoya Club.
Thirdly, by participating in this club, I was able to learn about the cultural and social information of ASEAN as well as Japan. The ASEAN-Nagoya Club has international students from Indonesia, Thailand, the Philippines and Vietnam, and they taught me about the situation in their country, which was a great learning experience. For example, last year we were discussing the theme of “what is happiness?” At that time, all the participants picked up 10 items of their own happiness (My Happiness). Common items include (1) health, (2) family, (3) money, and (4) friends, but I found that Indonesian students value the neighborhood association called “Rukun” very much.
What kind of roles should international students who come to Japan play? The roles they can play as follows.
The first is to be a bridge between Japan and your own country. To be specific, it is to provide information and appeal about their own country. For example, if there is a Japanese who wants to know about “higher education” in Cambodia, I would like to introduce it. Or, introduce a Cambodian friend who is familiar with “higher education”. On the contrary, if you want to know information about Japan, you can ask. For example, even if you don’t know the information, you can ask the OB because there is an OB of the ASEAN / Nagoya Club.
The second is to be the contact point for ASEAN. For example, if a Japanese person asks a question about Indonesia, it is possible to introduce an Indonesian International student. So what should ASEAN international students do in order to be able to do that? My opinion is quite common, but I think we have to do as follows:
First, I think it is important to learn more about ASEAN culture, historical background and basic social circumstances, and to have an accurate understanding. For example, Japanese concerns about being punctual. However, ASEAN people are generally a little bit relaxed about the time. I think it is necessary to understand each other before communicating.
Secondly, it is important to create an ASEAN network. In other words, I have to make more and more friends from ASEAN countries while maintaining the relationship among the members of the ASEAN / Nagoya club. That way, when a Japanese person asks, “Would you like to introduce someone to an ASEAN friend?”, I will introduce them to the Japanese immediately.
Thirdly, I think it is necessary to learn the Japanese language in order to become a bridge between Japan and your own country. Of course, the technology is advancing now, and I think there are probably interpreters and translators, but I think it would be good if I could speak Japanese in order to build a relationship of trust and familiarity with Japanese people. I think it’s important to be able to have basic conversations even if you can’t write or read.
● PAK CHANLINO, Nagoya University (Graduated from Nagoya University Graduate School of Law, Master’s Program) PAK CHANLINO graduated from Nagoya University Graduate School of Law and as a first-year student of ASEAN-NAGOYA CLUB, and is currently a lawyer in Phnom Penh. He is active as an office representative. He sent a video of his introduction and gave a testimony how valuable all the experience he had while participating in ASEAN-NAGOYA CLUB and explained the importance of networks in the future activities among Japan and ASEAN countries.
The first symposium for ASEAN-NAGOYA CLUB was very successful. The venue was full and everyone listened very enthusiastically. We would like to express our deepest gratitude to all the people involved and participants at Nagoya University.
March 13, 2016 ASEAN-NAGOYA CLUB Secretariat